南国Breath

南山国際の閉校に関して

南山国際の教育

 南山学園のモットーは「人間の尊厳のために」である。このことは、どんな人にも尊ばれる価値があり、それを厳格に認め、それを守るということを示している。南山国際では、いろいろな国の生活を体験してきた生徒がいる。ハンドブックには「南山国際高等学校・中学校の生徒である皆さんは、色々な国の生活を体験してきている。いろいろな国、民族、文化、思想間の違いを理解し認め合い、真の世界平和を実現できるよう、人間の尊厳のために努力をしよう。」と書かれている。

 南山国際では帰国生徒だけでなく外国籍生徒も多くいる。外国籍生徒の場合、日本の学校ではその見た目からいじめや仲間外れの対象になることも多い。しかし、南山国際では海外の多国籍文化を体験してきた生徒も多く、普通の日本人生徒と同じように接している。

 また、ハンドブックには次のようなことが書かれている。「南山国際高等学校・中学校は、自由であることを大切にする。しかしこのことは同時に、生徒の皆さんに、自分で考え判断し、自分の行為に責任を持つことが強く求められる。南山国際高等学校・中学校は、いうまでもなく、海外帰国生徒と外国人生徒だけの学校である。だからこそ、さまざまな価値観や思いを理解し、協力しあい、ともにこの社会のルールを守ることが一層求められる。それを実現することは、南山国際高等学校・中学校の教育の目標である。」

 南山国際は、とても自由な学校である。制服もないまた校則もほとんどない。校則は、次の10個だけである。

  1. 考査等における不正行為
  2. 金品を盗むこと
  3. 暴力をふるったり、脅迫したりすること
  4. 学校の施設・設備を故意に破壊すること
  5. タバコ・酒・薬物などをたしなむこと
  6. 授業を妨害すること。また他の人に対して極端な無礼をはたらいたり、迷惑をかけること
  7. はさみ、カッターなどの刃物や危険物を持ち込むこと
  8. ガムを持ち込むこと
  9. バイクを許可なく自分で運転して通学すること。自動車を自分で運転して通学すること
  10. 就業時間内(9:00~15:30)に無許可で郊外へ出ること

これだけである。

  8のガム以外は一般的に禁止されて当たりまえのことである。髪の毛は染めたり、パーマをかけてもよいし、ピアスも化粧も禁止されていない。海外の学校では、高校生が普通に行っていることである。日本に帰ってきても、同じような学校生活が送られる。

 容姿を自由にできることで学校が荒れるとかそういう気配は全くない。入試担当の先生の説明によると授業などもやりやすいそうである。また、校内ですれ違った生徒の多くが、あかるく挨拶をしてくれるのも印象的だ。編入希望の生徒は、事前に学校訪問をしなくてはならないが、多くの生徒が学校訪問の結果、編入を希望するそうだ。

 このような学校は全国的に見ても非常に珍しく守るべき学校であると思う。