南国Breath

南山国際の閉校に関して

南山国際高等・中学校の将来計画について

 昨年10月24日土曜日の午前中、南山学園理事会から保護者に対して閉校に関して説明会が行われた。10月21日(水)に「南山国際高校・中学校の将来構想についての説明会開催について(ご案内)」という文書が保護者向けに配られ、何らかの重大な発表が24日になされることはわかっていたが、24日当日の中日新聞の朝刊に閉校の件が報じられ、説明会以前に多くの保護者にはわかっていた。誰が中日新聞に情報を流したのかはわからない、しかし、学園関係者の誰かが事前に新聞社へと流していたのは明らかである。

 10月24日の午後には記者会見が開かれ、この時点で閉校の情報は完全にオープンなものとなった。保護者会、記者会見で配布された資料と同じものが南山学園のホームページにも掲載されている。

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 この資料によると2018年度から中学入試の募集を停止し、それ以後は存在する学年の編入学のみで、中学が2019年度末、高等学校が2022年度末をもって閉校することがわかる。そして、【趣旨】の中で南山学園が「国際性の涵養」の実現に向けた教育を実践してきたことを示している。また、1970年代の社会的要請にこたえる形で「帰国子女学級」、「国際部」、「国際高等学校・中学校」を設置してきたことも述べている。しかしながら現在までの累積赤字が約75億となり、一学校法人がこれからも継続的に運営するのは困難であるとしている。また、国や県や市などからの補助金が減らされてきたことも挙げられている。そして企業の寄付も十分に得られないことをその理由に挙げている。

 最後のほうで「日本の国際化の進展により、海外・帰国児童・生徒は『特別な存在』ではなくなり、その教育もまた特別なものとして位置づけられなくなってきている。」(2012年3月、海外子女教育振興財団発行の『帰国児童・生徒教育に関する総合的な調査研究』今後の課題より抜粋)と海外子女教育振興財団の報告書から引用を行っている。したがって、特別な帰国子女教育は必要ないという旨の説明に用いている。しかし、この引用元で書かれている趣旨は、特別にとらえられなくなったので、もっと帰国子女教育のすそ野を広げなくてはいけないという真逆のものである。その後、この引用はかっこと引用元の記載が削除されてホームページに掲載されている。

 もう少しで、閉校が発表されてから1年になる。南山国際の閉校問題についてもう少し考えていきたい。