南国Breath

南山国際の閉校に関して

はじめに

 愛知県の豊田市北部に中高一貫、生徒数400名の小さな学校がある。名前は、南山国際高等学校・南山国際中学校(以下南山国際)である。この学校が今、大きく揺れている。昨年、この学校を経営する学校法人の南山学園が2018年度以降の生徒募集を中止すると発表したからである。このことは、現在(2016年度)の小学校6年生までは入学を受け入れるが、小学校5年生より下の学年の児童は受け入れをしないということである。またその後、この2017年度まで受け入れた学年の編入はつづけるもの、2022年度の高校3年生を最後に閉校となる予定である。

 私は、この学校にかかわる者の一人として、この閉校について考えていきたい。南山国際は、有名な私立の中高一貫校のように多くの人たちによって認識されている学校ではない。しかし、世界中から注目を集める学校でもある。それは、この学校が特殊な学校だからである。南山国際は、だれでもはいれる学校ではない。それは入試が難しいとか、定員が少ないからではない。入試を受けるためには資格が必要になるからである。その資格とは、保護者の海外転勤などの都合により海外で1年以上生活をしてきたか、保護者のどちらかが外国籍であることである。南山国際は、帰国生徒と外国人生徒のための専門的な学校である。そのため、一般の日本人の児童は南山国際を受けることができない。日本ではほかにこんな学校はない。

 募集停止の発表のニュースは、世界中の日本企業に勤める人々に大きな衝撃となって伝わった。特に現在小学校5年生の児童の保護者への衝撃は非常に大きかった。日本に帰れば、南山国際に入れると思っていた子も多くいる。まさに青天の霹靂であった。今回は、なぜ閉校することになったのか、また、私たちはこれから何をするべきなのかを考えていきたい。